XDを運営するプレイドが、J-WAVE(81.3FM)の『TOKYO MORNING RADIO』内で放送※していた「KARTE CX VOX」。プロダクトやコンテンツ、イベントなどの誕生ストーリーや仕掛け人の思いを紐解き、「顧客体験(CX)」の意義をともに考える番組だ。
2021年9月13日から9月16日の放送では、テクノロジーを活用した高品質×低価格ハンバーガーショップ「ブルースターバーガー」が届けるCXを紹介した。同店は、素材の「鮮度」と「作りたて」にこだわったハンバーガーを、手頃な価格で提供する専門店だ。
放送では、株式会社ブルースターバーガージャパン 代表取締役社長 西山泰生氏に、誕生した経緯や同店舗での顧客体験について、また今後の展望についても語ってもらった。
本記事では、放送内容をまとめ紹介していく。
固定費を抑えて、低価格ながらも素材にこだわったハンバーガーを作る
――ブルースターバーガーが誕生した経緯を教えてください。
もともと私の実家が飲食店を経営しており、飲食業界自体には昔から興味がありました。同時にITの分野にも興味があり、学生時代にはITベンチャーでインターンをしていました。
ある時、「飲食業界で家賃や人件費などの固定費を抑えられれば、安くておいしいハンバーガーが作れるのではないか」ということを思いついたんです。
注文はアプリまたは店内のデジタル端末に限り、スタッフは商品を作るキッチンスタッフのみ。固定費を抑えることで、低価格でおいしいハンバーガーを作ることにしました。
――提供しているハンバーガーの値段は1個187円から。しかし、味はグルメバーガーに負けないおいしさと伺いしました。
ハンバーガー自体は非常にシンプルですが、バンズやパティ、ケチャップ、レタス、トマトなど素材は一つひとつこだわっています。
たとえば、パティに関してはビーフ100%のチルドパティを使っています。店内のグリドルで焼いているんですが、ビーフの配合も「この配合がいいんじゃないか」「この練り具合がいいんじゃないか」と、何度も試食を重ねながら決めました。
他のハンバーガー屋では、このクオリティやボリュームをこの価格で出すのは非常に難しいと思います。お客様には、一気にがぶっと召し上がっていただきたいです。
シンプルかつメニュー数を減らし、食品ロス削減へ
――飲食業界のテクノロジー導入は、進んでいるのでしょうか。
昨今のコロナの影響で、アプリやセルフレジなどを筆頭に、食業界全体ではテクノロジーがものすごく浸透してきているなと感じます。
ただ個人的には、人が対面する部分に関してテクノロジーを活用するのは、本質的ではないと思っています。たとえば、スーパーのレジでは、「セルフレジ」と「有人レジ」があると、ほとんどの人が有人レジに並んでいます。せっかくテクノロジーを活用しているのに、機能してないことも少なくないです。
――従来接客などで補っていた細かい注文に対しては、何か工夫をされているのでしょうか。
自分好みのハンバーガーを作るのは、システムで解決できると思っています。なので今後はキッチンの中をよりシステム化し人数を減らして、接客側には人を充てていくかもしれません。
――フードロスに対しても力を入れているそうですね。
従来のハンバーガー屋さんの場合、メニューの種類も多く在庫管理が大変です。しかし当店のハンバーガーは非常にシンプルで、メニュー数も少ない。今はお客様に対してできるだけハンバーガーを届けたく在庫自体は多めに抱えていますが、当店の在庫管理自体はとても簡単なんです。在庫管理がしやすいことによって、食品の廃棄は自ずと少なくなります。
また、雨の日でも買っていただく仕組みとして、雨の日限定で「オールスターバーガー」を発売しています。食材が残らないようにしながら、お客様は「雨の日だからこそ出てくる」と、食の楽しみ持ってもらえればと思っています。
シームレスな購買体験で、より気軽に外食を
――キャッシュレス、非接触、テイクアウトの3つがそろうことで、お客様にはどのような体験を提供できているのでしょうか。
お客様には安全・安心な体験をしていただけるのかなと思っています。基本的にレジに並ぶことはないので、コロナの心配もなく、よりシームレスな購買体験ができます。外食する機会が非常に少なくなっている中で、もっと気軽に外で食べれるようその機会を提供していきたいです。
――店舗のデザインは、青色を基調としていますが、この色を選んだ理由などあるでしょうか。
青を選んだ理由は3つあります。1つ目は、今までにない新しい形のレストラン、ハンバーガーショップを作りたく、赤や黄色をあえて選ばなかったんです。2つ目は、テクノロジー感や精神性を表現するためには青色が適していると思いました。
3つ目は私個人の好みですが、サミュエル・ウルマンという好きな海外の実業家がいて、彼が「青春」という詩を書いていて。彼が言うには、「人は年を重ねるごとに老いるのではなくて、ものごとを考えなくなった時やチャレンジすることをやめた時に老いる」と。
その言葉には非常に感化されました。私も常にチャレンジャーでいたいという気持ちものせて、青を選びましたね。
パーソナライズ化された接客で国内2000店舗を目指す
――ブルースターバーガーの今後の展望について教えてください。
当店は、設立当初から国内2000店舗を目指しています。同時にアプリの会員数も増やしながら、お客様との接点も増やし、今後はよりパーソナライズ化された新しいハンバーガーや飲食の形を模索していけたらと思います。
たとえば、ドライブスルーで、家族が4人来店したなら、「4人なのでこういうメニューはいかがでしょうか」など家族専用のメニューを提案したり。以前食べたものがソース系のハンバーガーであれば、「ソース系のハンバーガーではこちらもおすすめです」とレコメンドしてみたり。あるいは誕生日を入力してもらって、その方の誕生日には「おめでとうございます」とクーポンを渡してみたり。このように様々な形があるとは思うので、いろんなことに挑戦していけたらと思います。
――これからキャッシュレスやテイクアウトは、どのような形で進化していくと思われますか?
事前会計などにより、すでに好きな時間に好きな物を、好きな人と好きな場所で食べることが実現する社会です。それは今後もどんどん浸透していくのではないかと思います。
実は飲食業界の市場自体は非常に大きいのですが、これまで長い間、変化はありませんでした。コロナ禍により、その事実は改めて表に出た業界であると思っています。今後はテクノロジーなどの新しい力を活用しながらどんどん便利にして、若者から人気が出るような業界に変えていきたいなと思っています。
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