2020年2月刊行の「XD MAGAZINE vol.2」収録のコラムより転載。
“日本酒まみれ”をコンセプトにした宿とは、何だろう。お酒がキーとなる、新しい宿泊体験。
“日本酒まみれ”をコンセプトにした宿とは、何だろう。お酒がキーとなる、新しい宿泊体験。
「インバウンド」という言葉も一般的になり、外国人観光客にリアルな日本文化を体験的に伝える取り組みも各地で盛り上がっている。そんななか、大阪でじわじわと注目を集めている宿がある。
その名も「SAKE HOUSE」。“日本酒まみれ”をコンセプトにした民泊施設で、室内には日本酒の無人販売機が設置されている。そこに、単なる購入で終わらない体験の仕掛けがある。爽酒、薫酒、醇酒、熟酒、と味わいの異なる4種を用意し、それぞれのお酒にマッチしたおつまみと共に販売。飲み口も変わるバリエーション豊かな酒器が用意されており、さらにはセルフの熱燗器までも。日本酒は酒器や温度で香りや味がガラリと変化し、まったく違う表情をみせる稀有な酒だ。そんな日本酒の奥深い魅力を自分たちで試行錯誤しながら堪能できるうえ、心地よく酔っ払えば床にゴロリorベッドでグー。呑兵衛にはたまらない。
国際的な評価も高まる日本酒だが、セルフでその楽しみを探求できる機会はまだ少ない。「お店からの提供ではなく、自身で日本酒の魅力を見つけてほしい!」。そして、日本中で民泊が増えているなか「ただ泊まるだけではなく、深い日本文化の体験から、より日本を好きになってもらいたい」という想いが掛け合わさり「SAKE HOUSE」は生まれたと、運営元であるFURUEL株式会社の新海氏は語る。体験に特化した宿は、日本酒好きの外国人観光客を中心に、日本人にも好評を博しているそうだ。同社は「SAKE HOUSE」以外にも、風呂敷などをコンセプトにした体験型民泊を多数展開している。体験がもたらす価値づくりには、まだまだ色々なアプローチがあるようだ。
執筆:ヒラヤマヤスコ 編集:BAKERU
ロゴデザイン:LABORATORIES イラスト:西武アキラ
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