XDを運営するプレイドが、J-WAVE(81.3FM)の『TOKYO MORNING RADIO』内で放送※していた「KARTE CX VOX」。プロダクトやコンテンツ、イベントなどの誕生ストーリーや仕掛け人の思いを紐解き、「顧客体験(CX)」の意義をともに考える番組だ。
2021年7月26日から29日の放送では、デザイン性が高いオリジナル製品を低価格で提供するライフスタイルショップ「AWESOME STORE(オーサムストア)」での体験について紹介した。同ショップでは、「遊び心」を大事にした商品作りと、実店舗運営や店舗からの配信・発信に力を入れており、都内だけでなく全国にファンが着々と増えている。
放送では、AWESOME STOREを展開する株式会社レプレゼントの専務取締役 堀口周作氏に、店舗のコンセプトや安価の秘密、今後の展望などについて語ってもらった。
本記事では、放送内容をまとめ紹介していく。
「遊び心」あふれる商品作り
——まずはAWESOME STOREのコンセプトについて教えてください。
AWESOME STOREはデザイン性の高いオリジナル製品を低価格で提供する、ライフスタイルショップです。シンプル&ナチュラルなデザインをベースにアイテムを展開しています。
大事にしているのは「遊び心」。AWESOMEは「すごい!」など、驚いたときのニュアンスに近い言葉です。これをブランドの屋号に掲げ、遊び心と翻訳し、お客様が必ず「AWESOME!」となるような商品開発を意識しています。
——およそ5000あるアイテムはすべて自社開発だそうですね。プロダクト開発では、どんな工夫をしているのでしょうか。
お客様の声やフィードバックを重要視して、プロダクト開発に活かしています。1つの商品に対してそれぞれの使い方がありますが、これはお客様の声からしか得られないものです。開発側からでは見られない商品の可能性を、お客様からいただくことがとても多いですね。
雑貨は洋服などと違い、1人で使うこともあれば複数人で使うこともあり、さらに使い方もシーンによって大きく変わります。そういった変化の可能性が広いのが、雑貨の魅力だと思っています。
最近掲げているメッセージは「雑貨をファッションのように捉える」ということです。服を身にまとうようなワクワク感を、AWESOME STOREの商品で提供していきたいですね。くわえて、ギフトだけでなく日常的に使ってもらいたいというメッセージを、手頃な価格で表現しています。
デザインで選ばれる商品へ。遊び心を体現した猫の爪研ぎが大ヒット
——「100円均一」など低価格の雑貨を扱うお店が多い日本ですが、AWESOME STOREの雑貨にはどのような違いがあるのでしょうか。
AWESOME STOREでは、100円均一や300円均一のようにプライスをわかりやすくブランドの屋号にしていません。実際は100円よりも安いものもあれば、300円より高いもの、1000円〜1万円という幅広い価格帯となっています。お客様が手に取ったときに「この商品にしては安いよね」という、お客様の想定よりも安い価格の実現を目指しています。
雑貨というジャンルがもっと世の中的に浸透していけばいいと思っています。その中でも、我々が強みにしてるデザインで勝負をしてるつもりです。そのため、比較検討されたときに、「100円よりは高いけれど、このデザイン性や機能がほしいよね」と選んでいただけるようなブランドでありたいと思っています。お客様の選択肢の中に必ずAWESOME STOREがあると嬉しいですね。
——最近お客様から支持されているヒットアイテムを教えていただけますか?
最近大きなヒット商品になったのが、猫の爪研ぎです。市場にある爪研ぎは、段ボールを重ね合わせて、猫が爪研ぎやすいように作られているものが多いのですが、表面のモチーフを変えて、猫が何かに入ってるふうに見せられたら面白いのではないかと思いました。
そんなテーマで作ったのが、猫がツナ缶に入っている「爪とぎ Tuna Can」や、バスタブに入っている「爪とぎ Bathtub」です。今一番ヒットしているのは、ランドリーに猫が入っているような「爪とぎ Laundry」ですね。
すでに市場にあるものを、どのようにAWESOMEにするか?遊び心を持って作るか?という中で、この爪研ぎが生まれました。「とにかくかわいい」「映える」「写真を撮りたい」というお声と共にSNSなどによって拡散いただけているので、満足度の高い声が常に集められている状態です。
家の中にあるものは使う機会が多いからこそ、長時間にわたってお客様をワクワクさせる体験ができているかなと、いつも考えています。
歩きやすい店舗作りで満足感の高い体験価値を提供する
——AWESOME STOREは全国に63の実店舗を展開しています。実店舗を販売チャネルとしてどう捉えているのでしょうか。
実店舗で提供したいのは、体験価値です。私たちはお店のことを「遊び場」と呼び、内装や一つひとつのディテールを細かく作っているので、ぜひレジャー感覚で来てほしいですね。店舗の内装はニューヨークのブルックリン、その中でもオールドなガレージ、朽ちたデザインをイメージしているので、店内の明かりは少し暗めになっています。
——店舗の作りにはどんなこだわりがありますか?
とても細かい部分なのですが、毎回お店作りでこだわっているのが動線の確保です。ベビーカーや買い物カートを押しているお客様がスムーズに通れるよう、きちんと動線を確保するお店作りを心がけています。
というのも、お客様が通りにくかったり、子供連れや大荷物だと行きにくかったりすると、滞留時間が短かくなってしまいます。そうするとワクワクしていただけないんですよね。「次に行きたい」「もっと奥に入っていきたい」と思えるよう、歩きやすさ、見やすさを意識しています。
商売気質な考えからすれば、なるべく商品を多く置けた方がいいのですが、実はお客様が見やすくて、必ず何か買って帰るというようなお店作りの方が、絶対的な満足度は高いです。
コロナ禍でリアル店舗の在り方が再定義されていると感じます。今とても意識しているのは、一つひとつの店舗が、お客様が戻りたくなる場所になれているかどうか。それを常に意識しながら、リアル店舗の販売員は日々「自分たちのお店に戻ってきてほしい」という感覚で商売しています。
「雑貨でおうち時間を楽しく」を広めたい
——2021年3月、渋谷のセンター街にオープンした「AWESOME STORE TOKYO」では、2階にラジオブースを設置。日々オンライン配信が行われています。こうした取り組みにかける思いを教えてください。
このブースからの発信では、インスタライブなどのSNSを介して、お客様との対話を意識しています。まだまだ視聴者数は多くないですが、毎日配信を心がけており、そのなかで、商品だけでなく弊社スタッフに対してもお客様が反応してくれているので、ファン形成は間違いなくできていると思います。
この配信はTOKYO店の店舗スタッフが配信しているのですが、ライブ配信のコメントを見ていると、「○○地方にも作って」「○○にあったら行くのに」「東京に行ったときは必ず店舗に行きます」というリアルな声をいただけているんです。コロナがある程度収束に向かったときには、まず国内の観光客に戻ってきていただきたいですね。
——雑貨というライフスタイルアイテムのカルチャーを、今後どのように成長させていこうと考えていますか?
コロナ禍をきっかけに家で過ごす時間が増えたと思うので、そういった方々が雑貨をより楽しむお手伝いをしたいです。今はとにかく雑貨好きを増やしたいですね。なのでAWESOME STOREに限らず、皆さまにとって雑貨が身近になる活動ができればいいなと。そして3〜5年経って雑貨好きが増えたときに、好きな雑貨の中にAWESOME STOREが入っていたら嬉しいです。
雑貨というジャンルはまだまだ浸透していないですし、洋服などに比べると衣食住の中でわかりにくいものなので、お客様と共に雑貨の定義づけをしていきたいと思っています。ビジョンは壮大です。AWESOME STOREらしさを意識してお客様との関わりを持ち続けたいですね。
KARTE CX VOXの過去の配信は、Spotify、Apple Podcasts、Google Podcastsのほか、「ラジオクラウド」のアプリから聞くことができます。ラジオクラウドはアプリをダウンロードの上、こちらのリンクもしくは、アプリ内で「KARTE CX VOX」と検索してください。