サントリー食品インターナショナルは、水道水を瞬時においしい水に変えるミネラルinウォーターキャップ「minel(ミネル)」を開発し、専用ECサイトで抽選販売の受付を2月9日から開始した。
サントリーが生み出す新たな水の飲用体験
「minel」は、サントリーが独自技術でココヤシから抽出した“植物ミネラルエキス”を水道水などの家庭の水に加えることで、瞬時にまろやかな味わいのおいしい水に変える商品。
使い方は、専用ボトルに水道水や浄水などの家庭の水を入れ、minelキャップで1度閉めてから少し開けるだけ。そうするとキャップから2mlの“植物ミネラルエキス”が勢いよく噴射されて水に混ざり、家庭の水がおいしい水に変化する。
「サントリー天然水」が、水道水と比較してすっきりとしたコクのある味わいであるのに対して、「minel +水道水」は、まろやかでコクのある味わいになるという。
実際に「水道水」と「minel +水道水」を飲み比べてみると、味わいが丸くなっており、明らかな違いを感じる。水道水らしさは若干残る印象だが、かなり軽減される。水道水は地域によって味が異なるため、この感覚に関しては地域差がある可能性があるが、サントリーでは全国各地の水道水でテストを行った上で今回の発表に至っている。
新しい商品だからこそ、これまでの行動様式に沿ったものに
家庭の飲用水を「よりおいしい味にする」というプロジェクトの構想は2018年に始まったという。4年の歳月を経て“植物ミネラルエキス”を開発することに成功し、次の課題としてどのように家庭の水に添加してもらうかの検討が進められた。
それは専用のマシンなのか、特殊な容器なのか。ボトル形状から、キャップ形状に至るまで100種類以上を試作してきたという。
イノベーション開発部の津田氏は、「全く新しい商品であるため、お客様に新しい行動様式を実践いただくのは非常にハードルが高いことがヒアリングをする中でわかった。そのことから、すでに生活に浸透しているペットボトルキャップの開閉に似た動作で添加できる現在の形状に至った。また、プッシュっと噴射する形なので、お客様に変化を感じてもらえる体験になる点も大事にした」と現在の形状に至った背景について語っている。
そして、年間で1億ケース以上を販売する「サントリー天然水」を展開するサントリーが新たな選択肢をなぜわざわざ提供するのか、その理由についてサントリー 代表取締役社長の齋藤氏は以下のようにコメントしている。
「ペットボトルの飲料水に対して、スペースを取るのであまり置いておきたくない、運ぶには重たい、といった理由で不便だと感じる方には、どのような提案があるのだろう。もしあるのであれば、我々こそがその提案をするべきだと考えていた。まだ色々な可能性がある中での、第一歩だと思っている」
サントリーが行った調査では、この10年で水の摂取量は約2倍に増加しており、高齢化が進む中でも需要は伸びる一方だという。そんな中で、ミネラルウォーター市場をリードする企業として新たな選択肢を提案する。
実績に甘んじることなく、次なる可能性を切り開くサントリー。「minel」に関しては、まず5,000人を対象に抽選販売を行うところからスタートする。2年後にはある程度の規模になる次のステージに進む計画だ。
minel(ミネル)
https://minel.direct.suntory.co.jp/