仕事終わりの一杯はどこで飲もうかーー。
そう考えたときの選択肢は世の中に溢れている。毎日思いつきで飲む場所を選ぶ人もいれば、いつも決まった場所で楽しむ人もいるだろう。
お酒を提供する店舗やメーカーにとっては、いかにして“いつもの一杯”に選んでもらうかは永遠のテーマだ。
しかし、これだけの選択肢がある中で、そのような存在になることは不可能に近いものだとも思える。生活者は日々様々な誘惑に直面しながら、思いおもいにその日の行動を選択しているからだ。
そんな中、キリングループでクラフトブルワリーを展開するスプリングバレーブルワリーが、クラフトビールのサブスクリプションサービス「CLUB BTG」を6月17日より開始した。サブスクリプションという形で顧客との関係を築いていく。
会員には毎日1杯まで無料で提供
「CLUB BTG」は、月額2,496円(税込)で1日1杯好きなクラフトビールを追加料金なしで飲むことができるサービスだ。平日限定で最大17種類のクラフトビールから選ぶことができる。
サービスを提供する店舗はGinza Sony Park内にあるクラフトビール&デリスタンド「BEER TO GO by SPRING VALLEY BREWERY」。この店舗はカウンターで注文するスタイルなので、Park内に用意されたフリースペースで飲むのも、テイクアウトするのも自由だ。
通常1杯500円〜700円で提供しているため、5杯飲めば元が取れる計算になる。週2回以上通えるのであればお得にビールを楽しめるというわけだ。
スプリングバレーブルワリーはサービスを開始した背景について以下のように語る。
「SVB社ではビール市場の魅力化のため、『BEER SURPRISE』として、様々な新提案を行ってきました。今回のサブスクサービスもその1つであり、新しいビール体験を通して、ビール市場の魅力化につなげることが最大の狙いです。特に今回のサービスでは、(お店が銀座でオフィス街という立地もあり、)「働き方改革」に着目し、仕事終わりの有意義な時間を過ごす選択肢のひとつとして新たな飲み方シーンを提供していきたいと考えています」
飲食店では、利用客がどのような商品を注文し、どのような頻度で来店しているかを把握するのが困難だ。
今回サブスクリプションサービスを導入することで、顧客がどのように利用しているかを把握することができ、それをサービス向上に役立てることが可能となる。
サブスクリプションを導入するにあたり採用した「favy」の飲食店向けサブスクリプション機能では、性別や年代、飲用頻度のほか、サブスクの一杯とセットで何を購入したかということが把握できるようになっているという。スプリングバレーブルワリーはこれらのデータを、「新しいフードメニューの開発やお客様へのビールの勧め方、ビールづくりの開発などに役立てていきます。また、他のSVBの店舗でもデータを活用できればと考えています。」と今後のサービス向上に役立てる方針だ。
サブスクリプションという形態を取ることで、仕事終わりの新しい過ごし方、新しい習慣を生み出すことに繋がる。関係性を続けることで、その人にあった提案もしやすくなっていくだろう。飲食店の新しい顧客との関係性作りとしてどのような広がりを見せるだろうか。