XDを運営するプレイドが、J-WAVE(81.3FM)の『TOKYO MORNING RADIO』内で放送※していた「KARTE CX VOX」。プロダクトやコンテンツ、イベントなどの誕生ストーリーや仕掛け人の思いを紐解き、「顧客体験(CX)」の意義をともに考える番組だ。
2020年11月2日から5日の放送では、高級食パンを提供する「銀座に志かわ」のCXを紹介した。銀座だけでなく全国81箇所に店舗を構え、高級食パンと言えば必ず名前が挙がるほどの人気を博している。パン業界の常識ではありえないというアルカリイオン水を使用したことによって、食材のうま味を引き出し、「唯一無二の食パン」が誕生したという。
放送では、銀座仁志川 代表取締役社長の髙橋仁志氏に、新しい食パン作りのきっかけや銀座に志かわの強み、今後の展開などについて語ってもらった。
本記事では、放送内容をまとめ紹介していく。
業界の常識を疑い、アルカリイオン水で食パンを
――最初に、銀座に志かわの食パンが誕生したきっかけを教えてください。
7年ほど前に高級食パンブームが生まれ、高級食パン店が次々と開店していきました。私もパン職人として15年間従事してきたので、食パンづくりに自信を持っていたのもあり、日本の中心でもある東京・銀座で「力試しをしよう」と思ったのが始まりです。
銀座に志かわという名前には、「水にこだわる高級食パン」という意味を込めています。パン作りには弱酸性の水が向いているという常識があるのですが、私はこの常識を疑うことから銀座に志かわの一歩を始めていき、唯一無二の食パンを作りましたね。
――アルカリイオン水は、パン作り以外だとよく使われているものでしょうか?
高級旅館やレストランなどでは、食材の一つとして使われています。しかしパン業界は、パン作りの教科書に「弱酸性がいい」と書いてあり、使用されてきませんでした。
しかし、食べ物の世界で良いとされている水であれば、パン作りにも向いているのはないか。そう思ったところから、銀座に志かわのパン作りがスタートしました。厳選素材のアルカリイオン水を使うことで、バターや北海道産の生クリーム、隠し味のはちみつなど、素材の旨みが引き出されることが大きな特徴かなと思います。
お客様が通いたくなる、こだわりの店舗を目指す
――ふわふわで大きな銀座に志かわの食パン。どのように食べるのがいいのでしょう?
一般的な食パンは、固い耳の部分をよく残されてしまいますが、銀座に志かわの食パンは耳まで柔らかいのが特徴です。そのため、ファンのお客様だと、2斤の食パンを贅沢に手でちぎり、菓子パンのような形で口いっぱいにほおばって食べていただいていますね。
また、今までの食パンは、トーストしてバターやジャムを塗ったり、何かを挟んだりして食べる食材でした。しかし、銀座に志かわの食パンはそのまま食べてもおいしい。お客様から「気づいたら2斤の食パンを丸ごと食べてしまった」「そのまま食べて、こんなにおいしかった食パンは初めて」と言っていただけたことが、やはり一番嬉しいですね。
――気づいたら2斤丸ごと食べてしまう。その食べ方自体が贅沢な体験です。そんな銀座に志かわは、商品の食パンだけでなく店舗にもこだわっているそうですね。
店舗デザインのコンセプトは「和モダン」。かつて東京で栄えた江戸文化をイメージして、木材を多く使った温かみのある店舗にしました。
店舗の入り口にかかっているのは、京都の一澤信三郎帆布さんに作っていただいた、こだわりののれんです。無地の帆布生地に、潔く「食パン」と書いています。
他には、贈り物にもしていただけるよう、江戸時代をイメージした食パン専用の風呂敷を制作したり、毎月1日に「銀座志かわ千社札」を配布したりと、コンセプトに合った小物も展開。お客様が通いたくなる、こだわりの店舗を目指しています。
SNSで顧客とつながり、あっと驚く食パンレシピも
――銀座に志かわは、InstagramをはじめとしたSNSも積極的に活用されています。SNSでは、どのような情報を提供するようにしていますか?
高級食パンは誕生して7年ほどの新しいジャンルなので、その食べ方やアレンジレシピはまだまだ未知数です。そこで、生活者の皆様に食べ方を提案していきたいと考え、毎週1〜2個のレシピや食べ方をInstagram上で発信しています。その中には、お客様から教えていただいた食べ方を、私たちなりにアレンジしたレシピなんかもあるんですよ。
――先日は「公式Instagram 食パンアレンジコンテスト」を実施されたそうですね。
新型コロナ感染拡大により、料理をする機会が増えたので、自宅で銀座に志かわの食パンをより楽しんでほしいと考えたのがきっかけです。多くの応募の中から、最優秀賞と優秀賞、特別賞を選ばせていただきました。開催時期が秋だったので、秋の食材を使ったレシピが多かった印象です。今回、最優秀賞を受賞したレシピは、さば缶と梅豆腐クリームのトースト。秋の味覚であるさばが食パンとマッチしている、見事なレシピでした。
銀座にし志かわを全国47都道府県に広めたい
――高級食パンブームの中で、銀座に志かわならではの強みとは何でしょうか?
銀座に志かわの強みは2点あると考えています。1点は、食パンのおいしさそのものです。仕込み水にアルカリイオン水を使ったことで、非常に上品な甘さと柔らかさを持つ食パンに仕上がっています。この味や口当たり、柔らかさに自信を持って提供しています。
もう1点は、和モダンを基調とし、日本古来の江戸文化を発信していることです。店舗に来ていただければ、木のぬくもりや和のテイストを感じることができる。食パンも好きだけれど、こうしたブランドを好きになってくださるお客様が多いのも強みだと思います。
――最後に、銀座に志かわの今後のビジョンについて教えてください。
日本人は、2010年頃から米よりもパンを主食とする方の割合が多くなったと言われています。今後もパンの消費量は増えていくと思うので、食パンが食卓に上がる機会も増えていくでしょう。これまでは朝食が中心でしたが、昼食や夕食、アルコールのおつまみなど、さまざまなシチュエーションで食べられる可能性も秘めています。
そうした時代に向けて、47都道府県のどの地域に行っても、銀座に志かわがあるようにして、より多くの人に食べていただきたいと思っています。食パンを思いっきりほおばる贅沢さを、多くの方に体感いただけるように今後も頑張っていきたいです。
KARTE CX VOXの過去の配信は、Spotify、Apple Podcasts、Google Podcastsのほか、「ラジオクラウド」のアプリから聞くことができます。ラジオクラウドはアプリをダウンロードの上、こちらのリンクもしくは、アプリ内で「KARTE CX VOX」と検索してください。