2020年6月刊行の「XD MAGAZINE vol.3」収録のコラムより転載。
和文化など幅広い分野で執筆を行うライター・湊屋一子氏が考える、生で観る「寄席」の面白さとは?
和文化など幅広い分野で執筆を行うライター・湊屋一子氏が考える、生で観る「寄席」の面白さとは?
お笑いを好きだという人のほとんどが「古典芸能? 無理無理!」だろう。しかしお笑い好きならば、生で観てほしい。
ルミネtheよしもともいいが、今観ておくべきは渋谷らくごだ。いわゆる通好みよりも、「誰が見ても面白い!」という勢いのある落語家さんが多数出演しており、「古典=難しくてわかんない」という思い込みをボコボコにしてくれるし、落語を知らない友達を誘っていっても楽しんでもらえることは請け合っておく。
渋谷らくごで慣らしたら、他の寄席でまた違った落語家の話を聞いてみるといい。個人的なおすすめは浅草演芸ホール。浅草散歩とセットで楽しめるし、落語以外のお笑いも多いので「お、意外とこっちも好み!」という発見があるはず。ザ・寄席!という雰囲気を味わいたいなら、新宿末廣亭へ。周囲には良い感じの飲み屋も多く、寄席が終わった後でお笑いについて友と語り合うのもいい。
ちなみに寄席とは「幕の内弁当」のようなもので、いろんな落語家さんが短い持ち時間で入れ替わり立ち替わり出てくる。もっとがっつり食いたい人は、気に入った落語家さんの独演会に行くべし。
こちらは「和牛ドンと盛り弁当」のようなもので、満腹になるまで大好きな味が楽しめる。さらにお気に入りの落語家や講談師に出会えたら、ぜひ音源を入手していただきたい。そうすれば通勤時間も笑いに満ちたリラックスタイムに。ただし、一人で電車の中で笑う不気味なヤツにもなりかねないので、そこだけはくれぐれも要注意!
執筆:湊屋一子 編集:BAKERU 撮影:タニミツヒロ
ロゴデザイン:LABORATORIES イラスト:青山健一
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