XDを運営するプレイドが、J-WAVE(81.3FM)の『TOKYO MORNING RADIO』内で放送※していた「KARTE CX VOX」。プロダクトやコンテンツ、イベントなどの誕生ストーリーや仕掛け人の思いを紐解き、「顧客体験(CX)」の意義をともに考える番組だ。
2020年10月26日から29日の放送では、植物と共に生きる、ボタニカルライフスタイルを提案するブランド「BOTANIST」を展開するI-ne(アイエヌイー)を紹介した。ヘアケアからスキンケアまで、ユーザーの毎日に直結するアイテムを展開する同ブランド。
東京・原宿にあるショップ「BOTANIST Tokyo」では、BOTANISTのアイテムはもちろん、2階のカフェではヴィーガンフードのメニュー提供も行っている。放送では、BOTANISTが掲げるコンセプトや店舗体験を通して多様化するライフスタイルに合わせたブランドのあり方についてBOTANISTブランドマネージャーの小林麻美氏に伺った。
本記事では、放送内容をまとめ紹介していく。
植物を育てるように毎日を丁寧に過ごすライフスタイルを
――最初に、日用品の中でユーザーの選択肢の一つになるため、BOTANISTではどのような戦略やブランドコンセプトを掲げているのか教えてください。
BOTANISTというのは英語で“植物学者”という意味で、私たちは「植物と共に生きる」「ボタニカルライフスタイルを提供する」という言葉をコンセプトに掲げています。情報やモノがあふれ、めまぐるしく変化する現代。その中で、植物を育てるように心と体をいたわり、毎日をほんの少し丁寧に過ごすことが大事になるのではないでしょうか。そのために、当社は植物にこだわった商品や体験を提供し、持続可能な環境に貢献したいと考えています。
――発売当初は、ヘアケア市場にあった不満から戦略を導き出したそうですね。
はい。BOTANISTを発売した当初のヘアケア市場では、化学的な成分による頭皮や毛穴への影響に不安があるとされていました。一方で天然成分を使用したヘアケアも、洗い上がりや仕上がりの使用感に不満があったように感じています。また、パッケージにおいては香水のように華やかなデザイン、もしくは洗剤のような少し日用的なものが主流でした。
そこで、BOTANISTは頭皮への優しさや植物由来の成分にある安心感を維持しながら、使用感も両立できるように商品を開発しました。パッケージにもこだわり、バスルームに置いておきたくなるような洗練さがありながらも、生活になじむシンプルさを追究しました。
多様化するニーズに合わせて、ブランドの使命を追求
――時代の流れの中で、生活者が暮らしに求められる商品も変わってきています。こうした中で、BOTANISTとしても商品開発に何か変化は出てきているのでしょうか?
2020年1月に、動物由来の原料を使用しない「ヴィーガンライン」というヘアケア化粧品を作りました。感度の高いお客様は、サステナブルなアイテムの存在に注目しています。
世界中でも年々ヴィーガンのアイテム数が増えており、需要が少しずつ伸びています。日本にもこうしたニーズは増えていくと考えており、ヴィーガンというライフスタイルを選択した方にもBOTANISTを選んでいただきたいと思ったことが開発の経緯になります。
――「My BOTANIST」というパーソナライズサービスも、2019年3月から展開されました。こちらはどのような思いで開発されたのでしょうか。
My BOTANISTは、毛髪診断士による企画開発によってできた独自の診断システムです。2分の間に9個の質問に答えていただき、その結果を独自のメソッドで髪質を分析し、髪の悩みやなりたい質感に合わせたシャンプーとトリートメントの組み合わせをご提案します。
発売当初のBOTANISTは、「スムース」「モイスト」「ダメージケア」「スカルプケア」の4つタイプのヘアケアを用意していました。この中で、真逆の仕上がりであるシャンプーとトリートメントの組み合わせを、ずっとリピートされているお客様がいらっしゃって。不思議に思って購入データを分析してみると、毎月2000人以上のお客様が仕上がりの目的と違うシャンプー、トリートメントの組み合わせをご購入いただいていることがわかりました。
この結果から、お客様のニーズが、BOTANISTが当時想定していた4つのアイテムだけにはとどまらずに複雑に多様化していることに気が付きました。お客様のニーズにすべて応えられるアイテムを用意し、お客様の悩みを解決したい――。最適な提案をできるシステムとアイテムを作りたいという思いから、My BOTANISTを開発しました。
インテリアと植物を融合させた、空間を楽しむ実店舗
――原宿にあるBOTANIST Tokyoでは、どのような体験ができるのでしょうか?
店内は白を基調としたインテリアに植物を融合させ、スタイリッシュでありながら、都会の喧騒を忘れて落ち着いて過ごせる時間が体験できます。1階のショップでは定番のヘアケアやヴィーガンライン、BOTANISTシリーズ最高峰ラインの「ボタニストプレミアム(BOTANIST PREMIUM)」に加えて、雑貨などの各種アイテムも取りそろえ、香りや使い心地を実際にお試しいただけます。
カウンセリングや髪質の診断も行い、ライフスタイルや髪質に合わせたお手入れ方法などパーソナルなご提案もしています。2階では、オリジナルメニューを提供するBOTANIST Cafeを展開しています。
――オンラインでも販売されている中で、BOTANIST Tokyoに来店するお客様はどのような期待を抱いているのでしょうか。ストアマネージャーの飯沼奈皇さんに伺いました。
空間を楽しみにされる方が多いです。インテリアと植物を融合させたこの空間で、植物ならではの自然の香りを感じながら、実際に「どのようなヘアケアが自分に合っているのだろう」と考えられています。そこで私たちが、お客様の髪のお悩みや肌質の変化などに合わせたアドバイスすることによって、お客様により満足していただいています。また、実店舗で味わった体験を、ご自宅で同じように経験できることも一つのポイントだと思います。
ヴィーガンフードという選択肢を知り、体験する場に
――BOTANIST Cafeでは、ヴィーガンフードのメニューが提供されています。どのような理由でヴィーガンフードに着目したのでしょうか。料理長の道用由美子さんに伺いました。
近年、ライフスタイルの多様性がキーワードとなり、それぞれの個性や価値を認める社会を目指すインクルーシブな時代へと変化しています。植物と共に生きるボタニカルライフスタイルをご提案してきたBOTANISTは、ヴィーガンというライフスタイルを新たな選択肢の一つとして、より多くの方々に体感していただきたいという思いがありました。そこで、BOTANIST Tokyo2階のカフェでは、ヴィーガンメニューを提供することにしました。
BOTANIST Cafeのヴィーガンフードは、植物の力とヘルシーな食を突き詰める中で生まれました。例えば、肉は大豆ミートやしいたけに、牛乳は豆乳やアーモンドミルクに、白砂糖はてんさい糖に置き換えています。ヴィーガンメニューの開発では、植物性の食材に限定しながらも、目にも口にも美しい物を追求しています。食材、味、見た目の3つの条件がそろって初めて新しいメニューをリリースするようにしています。
――実際に体験したお客様からは、どのような反応がありましたか?
「ギルトフリーに食べられてうれしい」「ヴィーガンフードだと知らずに注文していたけど、お肉を使っていないと気づかなかった」といった様々な驚きの声をいただきました。
ヴィーガンフードの取り扱いを始めてから海外からのお客様も増え、日本でヴィーガンフードが食べられるお店として親しまれています。とはいえ、多くのお客様はヴィーガンでないという国内で、一般的な言葉になるまではまだまだ時間がかかりそうです。
BOTANIST Cafeの役割の一つとして、ヴィーガンという選択肢を知り、体験する、ヴィーガンライフスタイルのスタート地点になることが挙げられると思います。ヴィーガンの方々も、そうでない方も、1人でも、友人や恋人、家族と一緒でも、どのようなライフスタイルの方にも、ステキなひと時をお過ごしいただける空間にしていきたいです。
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