東京都大田区池上。東急池上線の池上駅を中心に商店街が広がり、都内にあって“普通の暮らし”が営まれているまちだ。駅から10分ほど歩くと、鎌倉時代に建てられた池上本門寺がある。飲食店や小さな商店が並び、門前町の名残を今もとどめている。2022年2月、横浜の八反橋からこのまちに、ひとつの店が移転した。それが『DAILY SUPPLY SSS』である。
池上駅に続く道に面した店は、まちに向かって開かれた印象を与える。コーヒースタンドでありユニークな日用品店でもあり、ときにはギャラリーにもなる。オープンして1年が過ぎ、コーヒーを飲みに来る人や日用品を目当てに足を運ぶ人、ふらりと立ち寄る人など幅広い年代の人が訪れるようになった。
そんなDAILY SUPPLY SSSを運営しているのは、アーティストユニット「L PACK.」の中嶋哲矢氏と小田桐奨氏だ。ふたりはなぜ、数あるまちのなかで「池上」という地を選び、店を営んでいるのか。L PACK.の成り立ちや店を開いた経緯を振り返りながら、DAILY SUPPLY SSSが池上のまちにある意義やそこでの体験を紐解いていく。
アーティストユニットが「まちづくり」に携わること
駅を中心に複数の商店街が広がる池上エリア。駅に続く道には小さな商店と住宅が並んでいる。池上駅から徒歩2分の距離にあるのがDAILY SUPPLY SSSだ。大きなガラスの引き戸からは、中の様子がよく見える。
運営をしている「L PACK.」の中嶋哲矢氏と小田桐奨氏は、大学で出会った同級生だ。空間造形学科で建築やインテリアを学び、2007年にユニットとして活動をはじめた。建築関連の企業に就職するのではなく、別の道を選んだのだ。
中嶋氏「同じ学科の人は40人くらいだったので、入学から同じクラスで仲の良い友人のひとりだったんですが、就活を意識しはじめた大学2、3年生のころ、ふたりでよく近所のレストランに行くようになったんです。そこを経営されているおじいちゃんは、ご自身で店舗のリノベーションもされていて、すごくかっこよくて。何度も通ううちに、『就職をするよりももっと面白い仕事があるかもしれない』と思うようになったんです」
卒業制作で多くの学生が建築模型を作るなか、ふたりが興味を持ったのは「リアルな空間」。ふたりは大学のロビーをカフェにつくりかえ、その一連の記録をレポートとして提出した。その延長線上でユニットを組み、アーティストとしての活動がはじまった。
中嶋氏「就職をしないと決めたとき、先輩が『どうせ就職をしないのなら手伝いに来てよ』とアートプロジェクトに誘ってくれたんです。アーティストが集まる場所に入っていき、話をしていたらみなさんが面白がってくれて。『一緒に何かをしよう』と声をかけていただきました。そこに対応したらまた次の話が来て……という調子で、“わらしべ長者”的に自然と活動が広がっていきました」
目の前に来たものにひとつひとつ取り組むうちに、プロジェクトベースで声をかけられるようになったふたり。専門である「建築」をベースに、アートやデザイン、民芸などの分野を横断しながら活動の場を広げていった。
まずふたりが活動拠点として選んだのは、神奈川県横浜市中区の黄金町。横浜市では、当時から民間と協働で文化芸術によるまちの再生に力を入れており、ゴーストタウンと化していた黄金町から日ノ出町にかけてのまちづくりにも取り組んでいた。
ガード下の空き店舗を若いアーティストや建築家に貸して活性化をはかり、2008年にはアートフェスティバル「黄金町バザール」が初開催。L PACK.はその一員として、かつて鉄板焼き屋だった空き店舗を借り、さまざまなアーティストとともにまちづくりに携わったという。
黄金町を拠点に、全国のアートプロジェクトやアーティスト・イン・レジデンス、エキシビションなどにも参加していく。その後、活動拠点はいったん埼玉県北本市へ。一軒家でカフェ兼アトリエを5年間営んだのち、再び横浜に戻り「八反橋フードセンター」の一角にアトリエを設けた。
八反橋フードセンターで実現した新しい日用品店の形
八反橋フードセンターとは、横浜市営地下鉄の片倉町駅から徒歩20分、約50年前に建てられたスーパーマーケットがあった建物である。幹線道路脇に建ち、近くには大きな団地が並ぶ。かつては八百屋や魚屋、肉屋、花屋などがひしめき、団地や近隣の住人が行き交っていたが、すでに店はほとんどなくなりシャッター街となり、貸し倉庫として物件情報が出ている場所だった。
アトリエになりそうな物件を探していた中嶋氏と小田桐氏は、何の気なしに足を運び、建物をひと目見て、その存在感に驚いたという。大きな味のある看板や建物が面白く、醸し出す空気が違って見えた。にもかかわらず、その存在は近隣に暮らす住民にもほとんど知られていなかったという。それまで全国でさまざまなアートプロジェクトに参加してきたふたりにとって、かつて商店街として賑わっていながら、今や人の行き交いが途絶え“風化”してしまった八反橋フードセンターは、むしろこの上なく惹かれる物件だったのだ。
ふたりは八反橋フードセンターの一角をアトリエとして使いながら、「日用品店」という要素を内包したDAILY SUPPLY SSSをオープンすることにした。
中嶋氏「これまで僕らは、まちなかに普段と少し違う“非日常”をつくったり、逆に美術館やギャラリーのなかへ日常を入れ込んだりして、アート表現として提示してきました。それなら八反橋フードセンターという日常的な場所で、僕らなりの視点で“非日常”を織り込んで、日用品を取り扱ったら面白いんじゃないか、と。僕らがいろいろな場所で知り合ってきたつくり手やアーティストの作品が、『日用品』という枠組みのなかで一堂に会したらどうかと思ったんです」
店に並ぶのは、「美しくて芯のある日用品」であることがひとつの基準になっている。
小田桐氏「ものづくりに対して真摯に向き合うつくり手で、密にコミュニケーションが取れるのも大切ですし、純粋に、ふたりとも『いいね』と思ったものもセレクトしています。SSSでオリジナルの日用品をつくれたら面白くなるのではないかと思っていて。お客さまとやり取りして、量産的なプロダクトでシンプルに良いものも、少しずつ増やしていきました」
かつて商店街として賑わっていた場のポテンシャルを引き出しながら、新しく「人の集まる場」をつくりたい──横浜の郊外でひそかに、日常とアートが交錯する新しいスタイルの日用品店が誕生した。
DAILY SUPPLY SSSで取り扱っている商品には、日用品のほかに自家焙煎のコーヒーもある。ふたりは黄金町にアトリエを構えていたときからコーヒーを取り扱い、手回しの焙煎機をつくって生豆を焙煎してきた。現在は、通称“ブタ釜”と呼ばれる富士珈琲機械製作所の直火式焙煎機を使っている。
小田桐氏「コーヒーは毎日飲む“日常的なもの”ですが、アート界ではすごく特殊な素材です。日常と非日常の両方にあるのがコーヒーであり、淹れて飲むことで人が集まるという影響力があります。アトリエでコーヒーを焙煎して飲むのなら『いっそお店にしてしまおう』と、“誰でも集えるまちの喫茶店”を黄金町のアトリエで立ち上げたのがきっかけです」
中嶋氏「僕らが黄金町にいた頃はまだ旧青線地帯の名残で、警官がよくパトロールしてたんです。そのうちのひとりがコーヒーが趣味で、休憩時間なんかにうちにもよく通ってくれました。焙煎していると、煙がものすごいから近所の人に通報されてしまって。その人が『コーヒーを焙煎しているんだよ』と説明してくれたこともありました」
小田桐氏「勤務終わりに警官帽からコック帽にかぶりなおして、うちで料理の腕前を披露してくれたこともありましたね(笑)」
「コーヒーだけではなく、日用品もその人の暮らしに影響を与えられる存在」と小田桐氏。八反橋フードセンターに拠点を移したことで、コーヒーのように自然に生活に深く関われるものとして「日用品」を捉えるようになったという。
まちづくりのプロジェクトをきっかけに「池上」へ
L PACK.が池上のまちに関わることになったのは2019年。東急電鉄と大田区のまちづくりプロジェクトから声がかかったことがきっかけだった。ふたりは全国で開催されているアートプロジェクトに参加することが多かったが、それぞれ単発で終わってしまうことに違和感や危機意識を抱えていたという。イベント期間中は多くの人でにぎわうものの、終わってしまうとまちはすっかり静かになってしまう。
小田桐氏「例えばイベントを開催する1カ月は、関係者にとっては非常に大事な期間です。しかし、そこで暮らす人たちにとっては、それ以外の11カ月も大切です。イベントと、イベントではない日常をどのように地続きでつなげていくか。ほかのまちづくりのイベントやレジデンスプログラムに参加しても、その時期に盛り上がって後に続かない、顔がようやくわかってきた頃にいなくなってしまう、という話をよく耳にしていました」
その時期は盛り上がっても、にぎわいは後に続かない。そんなジレンマを抱えながら、八反橋フードセンターのDAILY SUPPLY SSSを通して、地域に根ざして活動することの可能性を模索していたという。そんな矢先に、東急電鉄と大田区から声がかかる。
これまで全く縁のなかった「池上」というまちのプロジェクトではあったが、「普段のアートプロジェクトに参加するスタンスと同じように、フレッシュな気持ちで池上に向かいました」と小田桐氏。「とりあえず行ってみよう」と池上のまちを歩いて、まちの特性を少しずつ知っていったという。
池上のまちで象徴的なのは、やはり日蓮宗の総本山「池上本門寺」だろう。700年という長い歴史があり、寺の周囲には門前町の気配が残る。ただ、観光客でにぎわうというよりは、池上で暮らす人たちの普通の日常が感じられる静かな場所だ。
小田桐氏「池上本門寺の門前では、1年に一度、10月の3日間に『お会式(おえしき)』という法要があることを知りました。そこをめがけて、人もお店も動いているんです。お会式の時期に1年の売り上げの多くを上げる店舗もあると聞きました」
池上にとってのお会式は、全国で開催されるアートプロジェクトの盛り上がりに似ている部分があるように感じる。しかし、池上本門寺のお会式は鎌倉時代から廃れることなく続いている。
小田桐氏「さまざまなアートプロジェクトを経験してきたなかで感じたのは、池上は言ってみれば“大きな課題があまりないまち”だということです。そもそも地域でアートプロジェクトが立ち上がる背景には、何かしらの課題を抱えていて、その解決の一手段としてアートが使われている、という事情があることが多い。池上はというと、お寺のある門前町として、そもそもまちの基盤がしっかり確立されている場所です。幅広い世代が暮らし、なかには何代にもわたって住み続けている人もいて、地域の行事も活発です。
そんなすでに“型のある地”に、僕らがどんなエッセンスを入れられるのか、担当の方とも話をしました。その担当者はもともと前職でアートフェアにも携わっていた人で、曰く『即効性はないかもしれないけど、ジワジワと効いてくるような“漢方”のような存在になってほしい』と。そんなスタンスでいられたらと共感しました」
2019年に旧参道の入り口に「SANDO BY WEMON PROJECTS(さんど ばい ゑもんぷろじぇくつ)」という拠点をつくり、池上のまちをベースに新たな活動が始まった。地域のフリーペーパーを発行したり、Webメディアを運営したり、お寺の本堂でライブイベントを開催したりとさまざまな活動を通じて、池上のまちの魅力を発信し続けた。
プロジェクトは10カ年計画で、最初のステップとしていた3年を終えて次のステップへ。SANDO BY WEMON PROJECTSをクローズし、2022年2月にDAILY SUPPLY SSSを池上へ移転し、新たな拠点とすることにした。
小田桐氏「東急とのプロジェクトは、もともと3年と期間が決まっていましたが、僕らははじめから10カ年計画を提案していました。これまでさまざまな地域とかかわってきましたが、誰かと一緒にやることは永遠ではありません。それなら最初から自分ごととして捉え、プロジェクトが終わって僕らだけになっても続けられるように、依存しすぎないスタイルを目指したんです。3年を終えて、次のステップがまさに今。八反橋ではあくまで自分たちの好きなことをやっていましたが、改めてDAILY SUPPLY SSSを移転して、池上のまちで腰を据えて、責任を持って取り組むことに決めました」
“ひと”と“まち”の「御用聞き」という存在へ
池上のDAILY SUPPLY SSSは、コーヒースタンドであり日用品店でもあり、ギャラリーの要素もある。客層は若い世代から高齢層まで幅広く、常連の中には80代、90代の方もいるとか。日用品を見に来る人から「こういうものはない?」と聞かれたものを探して提案する昔ながらの「御用聞き」の役割もあるという。
中嶋氏「以前からDAILY SUPPLY SSSでは、“御用聞き”を自称してきました。池上に来てからますますその傾向が強くなった気がしています。『こういうものがほしい』と言われると、『探しておきます』と返事をして、探します。いいものがないこともよくありますが、一度は必ず探します。長いこと探し続けているものもあるんですよ」
ほうきなどの掃除道具から海外の日用品まで、御用聞きとして揃えたものは数知れず。と言っても、「なんでもある」わけではない。ペンだけでもたくさん種類はあるのに、なぜか消しゴムは置いていない。使い勝手の良さそうなカトラリーや調理道具もたくさんあるが、なかには何に使うのかよくわからない「石」なんてものもある。訪れる人が「これはないの?」とつい尋ねたくなる“隙”があるのではないかと小田桐氏は語る。
小田桐氏「たぶん、“ちぐはぐ”なんですよね。外から見るときれいに飾られていて入りにくいかもしれませんが、店内に入ると“隙”があるように感じるようです。たぶんいちばん違和感があるのは『石』でしょうね。この石柱なんか、みんな『いいね』って言ってくれるけど、なかなか売れない。グラム売りだからちょっと高いんです(笑)。気持ち的には、朝起きてから寝るまでに使うものすべてを取り扱いたいんですけど」
なんでも揃っているわけではないけど、普通の日用品店には置いていないものもある店。一定の制約と“隙”があるから、会話が生まれ空間が面白くなる。だからこそ、昔の日常にあった「御用聞き」というスタイルでまちの人々とコミュニケーションが生まれているのかもしれない。
池上でDAILY SUPPLY SSSをオープンして1年。訪れる人の過ごし方がゆるやかに変化しているという。
中嶋氏「開店当時は、外からよく見えるところに置かれた“ざる”や“コーヒー豆”などを目当てに入ってこられる方が多かったです。でもお店に入る頻度が増えると、次第に選ぶものが変わったり、店内に飾られた作品を買ってくださったり、お店に対する許容範囲が広がってくるように感じています。そんなお客様の変化は、とても面白いですね」
例えばこんなこともあった。店内で映像作品を上映していた時期、それまでコーヒースタンドを利用するだけだった人が、ふと流れている映像に興味を持ち、30分の作品を眺めながらコーヒーを飲んでいくようになった。それも会期中に何度も足を運んでくれたという。
コーヒーのためだけに訪れていた方が、アートに興味を持つようになる──そんな邂逅が実際に起こっている。「映像展示の最後日は年末だったので、自宅用に買っていた年越しそばをくれたんです。『面白かったから』って(笑)」と中嶋氏は嬉しそうに語る。
小田桐氏「間口はなるべく広くしようとはしていますね。本来だったら、美術館とかギャラリーとかでしか見られないようなものを、コーヒースタンドという間口の広い、誰でも入れる場所で見てもらうことができれば、少しずつお客様の見える世界が変わってくるのかなと思います」
まちの“御用聞き”へ。DAILY SUPPLY SSSのこれから
DAILY SUPPLY SSSを目当てに池上を訪れる人のなかには、池上というまち自体に興味を示す人も増えている。
中嶋氏「DAILY SUPPLY SSSに来てくれた知り合いは、すっかり池上が気に入って、早速物件を探している人もいます。僕も周囲に空いている物件がないか聞いているぐらいです。隣の千鳥町にある、僕らがマッチングとリノベーションを手がけた建物の大家さんは、面白い住み手を求めていて、知人を紹介しました。池上のまち全体で、新しい取り組みをする人や面白い人を求めるようになってきました。今後さらに増えていくと思います」
L PACK.の活動はさらに広がっている。池上本門寺横の公共施設「池上会館」内に複合施設をつくり、新たに「Try many Times Club」を開設した。カフェ、コワーキング、キッチン、食品加工のスペースを持った複合的な場所で、新しいチャレンジが始まっている。
また、大田区からの依頼で「池上エリアコンポストプロジェクト」に携わり、コンポスト(堆肥)づくりのワークショップ運営などに取り組んでいるという。さまざまな角度からさらに深くまちづくりに関わるようになっている。
まちづくりというと、再開発など建築から入ることが多いが、暮らす人、関わる人同士をつないでいくことも大切な要素のひとつだ。中嶋氏も小田桐氏も、目指しているのは、池上を面白いまちにすること、まちの居心地をよくする環境づくりを進めていくこと。「池上に行きたい」と思って来てもらい、この地で「何かをしたい」と思える環境をつくることだという。
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L PACK.は、店舗に訪れる“人”の御用聞きだけではなく、まさに池上の“まち“の御用聞きにもなっている。相談をすれば狙いや求めに応じて答えてくれるふたりには、「何かしてくれそう」という期待感が寄せられている。『コーヒー屋』と言われたらコーヒー屋に、『アーティスト』と言われたらアーティストとして求められることに応える。周囲がイメージする役割に合わせて自在に動くことで、“わらしべ長者”のようにプロジェクトを実現していく姿は、今も変わらない。
中嶋氏「展覧会やアートプロジェクトでも、話がきたときに、僕らに何を期待してオファーしてくださっているかを伺っています。お互いにとって面白いことをやりたいですね、というところからプロジェクトを始めています」
小田桐氏「来たものにただ応えようとしているだけなんです。はたから見ると『L PACK.は結局何屋なの?』なんて言われていますが(笑)。僕らも年々分からなくなっていっているのが面白いですね」
「分からない」から、面白い。その妙味を、中嶋氏は雑誌に例える。
中嶋氏「僕らは雑誌の『relax(リラックス)』世代ですが、読んでいた中高生時代は『これ何?』と分からないことだらけでした。当時はネットもなく、難しい固有名詞をすぐに調べることもできません。でも当時分からなかったことも、20年越しに読んでみると面白いんです。『わぁ、そういうことか!』って、分かることもある。僕らのプロジェクトも、いつかそうなったらいいなと思います。何年後かに『これとこれがつながっていたんだな』って、思い出してもらえるように」
池上に暮らす人とまちの御用聞きとして浸透してきたDAILY SUPPLY SSS。池上のまちに「場」をつくり、これからも人とまちをつないでいく。
執筆/鈴木ゆう子 取材・編集/大矢幸世 撮影/伊藤圭