ロフトや東急ハンズ、ヴィレッジヴァンガードなどの大手雑貨店で、コーナー展開をしているステッカーレーベル『B-SIDE LABEL』。シュールなブラックジョークから、ポップなテイストまで多種多様で、ティーンエイジャーから大人まで幅広い世代に愛されている。
1枚300円のステッカーというニッチなアイテムを中心に、直営店にも力を入れている。2005年10月の大阪 南船場店の開店を皮切りに、2023年2月には10店舗目となる仙台店がオープンするという盛況ぶりだ。
同社の前進となったステッカーブランド『BRAINSIDE』は、2000年に香川県で産声を上げた。当時は2人組で活動し、地元のFMラジオを巻き込みながら全国一周を果たし、順調に広まっている手応えも感じていた。「これなら人生楽勝!」と、さらなる発展を目指して代表取締役の黒崎裕一郎氏は大阪へ、相棒は東京へと進出。
しかし、ここからが苦しみの連続だった。売上が立たない日もあり、路上に座って販売活動に明け暮れる日が続いたのだ。では、そこから直営店10店舗まで拡大に至った道のりには何があったのだろうか。株式会社B-SIDE LABEL代表取締役社長・黒崎裕一郎氏にこれまでの軌跡を伺った。
成長するきっかけを与えてくれた、大阪気質
黒崎氏「当時は、東京と大阪を押さえれば勝ちだと思っていました。大阪のアメ村のお店を家賃タダで使わせていただける好条件もあり、期待のほうが大きかったです。ですが、結果的にはうまくいかず、分かったのは都会には魅力的な情報やエンターテインメントが溢れているということでした。
田舎では若者が面白いことをやっていると注目していただけたのですが、大阪には『面白い人』しかいなかったのです。お店を1日開けても、売上は0~3,000円。そのままでは生活もできない状況で……。コネも何もない状況で大阪に進出したので、まずはお客様をゼロから作らなければいけないと思い、ストリート販売を始めました」
大阪へ進出した2001年当時は、アーティストのストリート活動も活発だった。先輩にあたる彼らの姿を見て、路上で一番人を集めたら道が開けるかもしれないと6年ぐらい道端に座り続けた。
黒崎氏「有名な人たちは週末だけストリート販売をしていたのですが、私は無名だったので、毎日路上に出ていました。ところが、警察に怒られたり、エリアを仕切っている怖い方に目をつけられたり……。せっかくバっとお客様が集まっても、そうなったら出店を待機せざるを得ない。1ヵ月は京都に行くなど、場所を変えて続けました」
一方で、東京ではストリート販売の規制が厳しくなり、東京で路上販売を続けてきた相棒は撤退の選択を余儀なくされた。そんな苦しみの中で黒崎氏を支えたのは大阪人の人情だ。
黒崎氏「私が警察や怖い人にも怒られていると、道行く人が守ってくれました。『頑張っている若者にそんなこと言ってどうするんだ!?』と前に立って、すごく応援してくれたんです。だからこそ、継続したら必ず結果は出る。地道に活動を続けていけば、ちゃんとお客様がついて来てくれると自信にもなりました。
ただ、一緒にやってきたメンバーがいなくなって、名前を『BRAINSIDE』から『B-SIDE LABEL』に変えました。それでもお客様にとって私という存在は変わらない。地元の人たちに支えていただけたので、続けてこられたと思っています。
大阪で成長できた恩返しのためにも、本社はまだ大阪に置いていて、いつでも『大阪の会社です』と言っています」
B-SIDE LABELという名前には、前進となったBRAINSIDEの名残だけでなく、別の意味もある。
黒崎氏「B-SIDE (Bサイド)には『裏面』という意味もあります。私にとってのポップアートとの出会いは、原宿の裏原系といわれるファッションでした。そういった華やかなアパレル関係などは『表面』のAサイド。私はシュールな作品もたくさん作っていたので、表舞台よりは裏側の仕事だと思う節があり、Bサイドとしました。
それと、BRAINSIDEと名乗っていたのを全く違う名前にしたらお客様も混乱するかと思って、当初は『(口ごもりながら)“ぶさいれべる”です』と言っていました(笑)。会社名が変わったら悪いイメージを持たれないか不安だったのですが、自分が毎日ずっと立ってきたからか、大阪の気質もあるのか、あまり気にされなかったです」
ステッカーの「一年保証」には3つの意味がある
大阪時代から今も続けているサービスに「一年保証」がある。剝がれたり盗まれたりしても、一年以内であれば交換・提供してくれる独自のサービスだ。
B-SIDE LABELのステッカーは防水、UVプロテクト加工を施しており、販売当初から品質には自信を持っていた。しかし、ストリート販売をしているアーティストは全国を回ることも多い。そのため、初めてB-SIDE LABELを知る人から「明日もおるんか?」と聞かれることもあった。骨をうずめる気持ちで活動していた黒崎氏は、ずっと路上にいてステッカーの仕事を続けていくという信用を得るために「一年保証」を始めたのだ。
黒崎氏「一年保証には宣伝効果を高めるメリットもあります。ステッカーは身近なところに貼ってもらうだけで、『それ何?』と会話が始まり、お客様がどんどん広がっていきます。
いっとき、学生のあいだで“浣腸優先”という下ネタの標識ステッカーが爆発的に売れました。理由を聞いてみたら、体育館の入口に貼ってあったそうなんです。先生に剥がされてしまったらしく、一年保証があったので、『今度は別の場所に貼って』と新しいものを渡しました(笑)。宣伝効果があることに気付かされたので、他のものを貼られるぐらいだったら、もう1回貼ってくれたほうが良いと思ったのです」
ただ、一年保証を悪用したケースが発生してしまうこともある。例えば、サイト上の画像を利用したニセモノを交換してほしいと訴える人。ほかにはステッカーの使い方が分かっておらず、車に貼ったらすぐに剥がれたというクレームが起きたこともあった。ステッカーの裏側(糊面)を写真に撮って送ってもらうと砂だらけで、「汚れを落とさない状態で貼ると剝がれやすい」とアドバイスを添えて対応したそうだ。
黒崎氏「善良なホスピタリティに対してクレームで乗っかろうとする人が増えると、止めざるを得なくなる懸念はあります。私はこのサービスを続けるためにも、時には『肉を切らせて骨を断つ』という想いで対応してきました。
一方で、私たちはこれからも知名度を上げていく必要があるので、起こること全ては宣伝だと捉えています。こういったやり取りも、結果的にファン作りになるとポジティブに考えています。たった1回のやり取りで、それから20年来てくれるようになったら嬉しいですよね。こういった考え方は関西人の気質から学ばせてもらいました」
信用作りから始まり、宣伝効果にもつながった「一年保証」は、B-SIDE LABELの伝統にもなっている。
それに加えて、黒崎氏は「“アートを1年使用する権利”を提供した」という意味があるのだと語る。一体どういうことなのだろうか……。
黒崎氏「私たちとしては、作品を表現する媒体がポストカードやキャンバスではなく、ステッカーに代わっているだけなのです。ただ、ステッカーは子どもが遊ぶシールのように“商品”として見られるケースが多くあります。
ですが、私たちはステッカーをアート=“作品”だと考えているので、サブスクリプションのような感覚で、お客様には作品を1年間買ってもらったという認識です。だからこそ、期間内に媒体であるステッカーが駄目になったら、もう1回新しい同じ作品を提供しています」
アーティスト主体の「作品」と、意識的に企画された「商品」
B-SIDE LABELでは取り扱うステッカーの中で“作品”と“商品”を明確に区別している。作品は各アーティストの個性が光る独創的なアート、商品にはトレンドや普遍的な価値観を意識した『みてコレ!』などのシリーズがある。
アーティストが描く作品に対して、黒崎氏は創業当時から一度も「こういうものを描きなさい」という指示を出したことはないという。作者の意向が削がれてしまうと、作品ではなく商品になってしまうからだ。
黒崎氏「作品が生まれるには、どんなメッセージを伝えたいかという“思想力”と“画力”の二つが必要です。アーティストによっては、思想も絵のタッチもさまざま。この二つを求めながらも、誰かのためにというよりは、自分の好きなように描いてもらうのが弊社の“作品”の特徴で、そこに描かれた世界観に共感してくれるお客様が多くいらっしゃいます」
一方で、企画部が意識的にアイデアを出して製品化する『みてコレ!』シリーズは“商品”として位置づけている。同シリーズの立ち上げには黒崎氏も参画した。『鬼滅の刃』などのメガコンテンツとのコラボ商品の勢いが増すなかで、B-SIDE LABELオリジナル製品に力を入れる狙いもあっての発案だ。
黒崎氏「商品には思想面をトレンドに追い求めることもあります。例えば、サウナの商品がそうですね。ただ、描いてもらうアーティストがサウナを好きでないと、企画意図とズレて内容の浅い作品になってしまう。だから、企画部がサウナについて深くリサーチして、ターゲットを決めて、誰にどういうふうに描いてもらうのか脳みそを使って練り上げます。それに対してフィーリングの合うアーティストにデザインしてもらう。意識的に2人の脳みそをすり合わせて生まれてくるので、こちらは“商品”だと考えています」
現在、企画部は4人。情報を集めながら渾身のアイデアを練っているため、ほとんどの企画がOKになる。トレンドに敏感な人もいれば、普遍的な四季や誕生日などを表現する人、「定時で帰りたい」とクスっと笑ってしてしまうメッセージ性を訴える人など、それぞれの個性が光る。
黒崎氏「例えば、常にキラキラした世界が好きな女性が、家では人に見せられないような生活していたり、食べ物に目がなかったり(笑)。そういったよりマイノリティな部分にスポットを当ててみるのが『みてコレ!』の始まりでした。ステッカーアートというニッチな世界で、よりニッチな部分を表現したら応援してくれる人がいるかもしれないと考えたのです。そのアイデアを形にするにあたって、アーティストに丸投げしてはいけないと思い、企画と作家がハイブリット化していく必要があると感じました」
そうして生み出されたステッカーは、1万種類を超えている。20年間、毎月第1土曜日に新作を出し続けているのもB-SIDE LABELの特徴だ。黒崎氏は学生時代に雑貨店を訪れた時、お気に入りのブランドの商品がなかなか新しいものにならないことにジレンマを感じていたという。だからこそ、欲しい人のモチベーションを下げないためにも、スピード感を持てるよう製造は外注せずに全て内製化しているのだ。
また、新作によってお気に入りのアーティストが何を考えているのか、いち早く伝えられる。
黒崎氏「追っているアーティストのタッチが急に変わったりすると、プライベートで何かあったのかな……なんて想像してしまいますよね(笑)。毎月新作を出し続ければ、そういった楽しさも提供できると感じていましたし、お客様のリピートにつながるとも確信していました」
消費ではなく「世代を超えて長く愛されるアート」を作り続ける
B-SIDE LABELファンの年齢層は、ティーンエイジャーから大人世代までと幅広い。年代を問わず人を集められるのはステッカーの強みでもあり、直営店が成功に至る足がかりにもなった。
黒崎氏「元々は大学生以上をターゲットにしていたのですが、今では高校生も増えています。ステッカーの値段は1枚300円なので、高校生なら服や趣味を優先すると思っていました。それを経て、大学生ぐらいになったら、大人のジョークとして買ってもらえたら良いなと考えていたのです」
もちろん、BRAINSIDE、B-SIDE LABELの創業当時から応援してくれているファンもいるため、大人世代からの支持も得ている。ただし、年齢層の広さにはステッカーならではの強みもあるのだ。黒崎氏はアパレルと比較して語ってくれた。
黒崎氏「洋服は年齢によって変わってしまいます。自分の年齢に合わせて取り扱う商品も年相応に変えていくのか、ずっと10代向けのお店を作るか……。後者の場合、10代のスタッフを雇う必要が生じます。ですが、ステッカーでは10代も50代も猫好きは猫好きなんですよ。なので、私たちは圧倒的にターゲット層が広いのです」
東急ハンズ池袋店での店頭販売からも、ステッカーが持つ“世代を問わない強み”に加え、“人通りさえ多ければ多くの世代を集められる実感”を得らることとなった。
黒崎氏「2021年10月に閉店しましたが、10年以上やらせていただいた東急ハンズ池袋店さんの店頭販売では、非常に目立つ場所だったのでライバルも多くて、売上が悪いとご縁が続かないんですよ。私たちは1枚300円と単価は安いのですが、だからこそ人を集められて賑やかしにもなります。池袋店の閉店前やハンズメッセ(東急ハンズの感謝祭)の時もずっと出店し続けていました。
その経験から、直営店を新規オープンするにあたって人通りが多い場所に出店すれば、どんな世代の人にもアプローチできると感じました。それまでは家賃を抑えて細々と店舗運営をしていたのですが、立地の関係でうまくいかなかったのだと気付いたのです。その後、新規出店した下北沢店は路面店で、それまで以上に家賃は高かったものの、直営店で初めて軌道に乗りました」
20年に渡り、基本的には廃番を出さないようにしていることも、幅広い世代への訴求につながっている。10代で1枚のステッカーを買ったお客様が、30歳になっても新作ではなく同じものを購入する。その理由を聞いてみたら「自分にとってずっと大事な作品なので、なくなったら買っています。知り合いにもプレゼントしている」と教えてくれたそうだ。それは、黒崎氏が意図していたアートの在り方にも結びついている。
黒崎氏「私たちが徹底的に意識しているのは、消費されるアートは作らないことです。ナガオカケンメイさんが、暮らしの中で変わらずに存在し続ける“ロングライフデザイン”という考えを提唱しています。
1回あたりの製造数を売り切ったら販売終了。それはよくあるパターンです。ですが、私たちは過去の作品も作り続けています。将来的に“50年前に生み出された作品”が、変わらずに店頭に並んでいたらとても面白い。そうしたら親子で同じものを買えますよね。何世代にも渡って愛されるよう、成し遂げたい目標の一つです」
親子だけでなく3世代で店頭に足を運ぶお客様もいる。子どもに付き添って来店した大人のほうが爆買いしてしまうケースも少なくないそうだ。
一人ひとりの仕事が「お客様の笑顔」に繋がっている実感をシェア
現在、直営店では売り上げが伸びているぶん、お客様一人ひとりへの接客に力を入れている。というのも、数字に追われて接客が行き届かなくなる傾向があったからだ。そこで、売上ではなく基本に立ち戻りながら、新規のファンも増やそうと取り組んでいる。売り場に立っているスタッフは、「このステッカーにはどういう意味があるのか」「今月の新作はどれなのか」など、きちんと説明ができる人物ばかりだ。店内にもスタッフによる細かな工夫が施されている。
黒崎氏「コーヒーのチェーン店はコーヒーを売っていると分かりますが、ステッカーはニッチな産業です。なので接客を通して、私たちの“思想”を広げていくのも仕事の一つです。例えば、陳列フックをめくると、同じシリーズでも色違いがあったり、ヒヨコの後ろは親鳥だったり(笑)。そういう遊び心を見て、笑っていただけたら良いなと思っています。
店舗で働くスタッフによると、お客様との会話で『ロサンゼルスにお店がない』という話が出たそうなんです。私自身ハワイに直営店を出したいのですが、スタッフがそれをお伝えしたら『ハワイで待ってるね』と返ってきたそうです」
メッセージを伝えるという点で、ステッカーと音楽は密着している。だからこそ、B-SIDE LABEL直営店では、空間演出として店内に流す音楽をスタッフが選んでいる。気楽にお店に入って、音楽を体感しながら絵を楽しみ、そして気軽にステッカーを買ってもらうための工夫だ。
さらに、社員のモチベーションを保つためにメッセンジャーアプリを使った「パーティプレゼンツッ!!!ほっこりルーム」という共有ルームを活用している。全社員が投稿・閲覧できるシステムで、自分たちの業務がどのようにお客様を笑顔にしているのか、さまざまなエピソードが語られている。
黒崎氏「実は最近、直営店に来てくれた大学一年生の女の子と会う機会があったのですが、スタッフさんがとても親切にクリエイターや作品のコンセプトを説明してくれたと話してくださいました。こういったエピソードをシェアすることで、社員一人ひとりが、自分たちの仕事は離れたお客様にもきちんとつながっていて、しっかりとお客様に貢献できていると実感が湧くのです」
各店舗で接客したスタッフからも、お客様からの声をメールで受けた広報担当者からも続々とエピソードが投稿されている。
例えば、「リピーターのご夫婦が、妊娠をきっかけに来店が難しくなったものの、出産したお子さんと一緒に3年ぶりに足を運んでくれたことが嬉しい」とシェアした。そこに黒崎氏もメッセージを送るなど、働く目的や意味を分かち合っているのだ。時には嬉し泣きをしてしまう従業員までいるという。
黒崎氏「パン屋で例えると、フロアと奥の工房とで作業する場所が分かれていますよね。私がアルバイトとして働いていて、工房でパンをこねているだけだったら、それが食べ物なのか粘土なのか分からなくなると思うんです。ですが、それを食べ物だと思い出すのは、フロアに立ってお客様が嬉しそうに選ぶのを見る時。自分が作ったものを食べてくれているのを目の当たりにしたら、もっとこねる力や想い入れが増す気がしています」
ほかに黒崎氏がお客様とのやり取りで面白いと感じたのは、同社が開催する「企画感謝祭」(ファン感謝デー)でのできごと。ステッカーが貼るだけではなく、コレクションとしても楽しみ方が進化しているのを見た時だった。
黒崎氏「皆さんバインダーにファイリングしていて、すごくレアなステッカーも見せてくれました。作っている身として、もちろん全作品を知っているのですが、『どこでそれを手に入れたの?』と驚きましたし、子どもとの再会みたいな気分で嬉しかったです。
貼る文化から、自分の好きな作品を時代ごと、作家ごとに集めてファイリングしてくれるようになった。ポストカードやキャンバスアートでは持ち歩くことは難しいですが、ステッカーを媒体にしたからこそ提供できた新しい文化だと考えています」
ニッチ産業だからこそ、とことん面白さを目指す
黒崎氏は今後、国内主要都市に直営店を20店舗まで増やす目標を掲げている。香川県育ちの黒崎氏には、かつて主要都市にあるスターバックスに行くため、意気揚々とフェリーに乗った思い出があるという。B-SIDE LABEL直営店が都市に出かけるきっかけになれば、300円のステッカーにもより価値が増すと考えている。
黒崎氏「ニッチ産業ではあるものの、ポップアートのチェーン店というだけでワクワクしますよね。今後、3〜4年であと10店舗を出店する予定です。知名度自体は低いかもしれませんが、知る人ぞ知るお店になって、お客様の中で話題にしてもらえたら嬉しいですね」
海外から直営店を求める声も大きく、日本国内での目標を達成したあとは海外展開も視野に入れている。
また、会社の成長に伴って部署が増える中で、社員に裁量を任せる部分も多くなった。各部署が連動して新しい企画や施策を考えている。
黒崎氏「色んな人が有機的に集まって『これを実行したら面白くなりそう』と話し合えるのが、私の理想でした。とはいえ、当初は単純にステッカーアートを広げていくことを目標にしていたのですが、現在は企画部が中心となって制作したアニメーションもお客様に楽しんでいただいています。
新規企画を営業チームが取引先に提案するなど、若い社員によって私の想像を超えた活発な動きが生まれてきました。
今後、どこへ向かっていくのか未知数な部分も大きいのですが、直営店の拡大や新しい施策は楽しみにしていただけると思います」
執筆/水野友紀子 撮影/竹田靖弘 編集/乙矢礼司(ミセル)