ここ数年、「教養」という言葉を見かける頻度が増えた。
書店に足を運べば、「教養としての〇〇」と題された書籍が数多く並んでいる。YouTubeからテレビまで、とっつきやすい形にパッケージングされた教養番組も色とりどりだ。
かつて20世紀の学生文化として、「教養主義」というものがあった。読書を通じた人格陶冶(とうや)や社会改革を重視する風潮は、現代になって再び、ビジネスパーソンから高齢者まで対象を広げて復興しつつあるのかもしれない。
そんな中、時代に即した新たな「教養」のかたちを模索している取り組みの一つが、2022年9月に講談社現代新書が創刊した薄型新書シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」だ。“イッキ読みできる教養新書”と掲げられたこのシリーズは、224~256ページほどが一般的である新書の世界で、半分以下の約100ページに短縮。「今という時代だからこそ読まれるべき思想家」を取り上げ、内容を「思想家の紹介」「その思想が生まれた背景」「なぜ、今の時代にその思想を知っておくべきか」に絞った。
新書における一大ブランドを築き上げている講談社現代新書は、なぜ「100ページ新書」に乗り出したのか? 講談社現代新書編集長の青木肇、長年人文書の編集に携わってきた同編集部の所澤淳に聞く。(文中一部敬称略)
“新書の御三家”の「末っ子」、講談社現代新書
講談社現代新書(以下、現代新書)は、1964年に創刊された教養新書のシリーズ。岩波新書、中公新書と並んで“新書の御三家”と呼ばれてきた。
シンプルだが印象に残る「四角」をあしらった装丁は2004年から。ロッキング・オンの雑誌『Cut』のエディトリアルデザイン、坂本龍一のCDジャケットデザインなどを手がけた著名グラフィックデザイナー・中島英樹の手によるものだという。
「政治・社会・ビジネスから哲学・思想・芸術まで」と謳う通り、雑誌のように幅広いラインナップを取り揃えているのが、現代新書の魅力の一つだろう。東浩紀『動物化するポストモダン──オタクから見た日本社会』(2001)で現代思想の刺激的な魅力を知り、中根千枝『タテ社会の人間関係』(1970)の鮮やかな日本社会の分析に興奮し、福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(2007)で生命観を大きく揺るがされた……そんな経験を持つ人もいるかもしれない。
そもそも新書とは「新書判(173×105mm、およびそれに近い判型)」の書籍を指す、日本で独特の進化を遂げたフォーマット。これまで十数年にわたって現代新書の編集を手がけ、現在副部長を務める所澤は「元を辿れば、安い値段で一般の人たちに教養を啓蒙していきましょう、というかたちで始まったのでは」と理解しているという。1938年に創刊されてこのフォーマットを切り拓いた岩波新書は、古典の普及を目的としていた岩波文庫とは異なり、「今日の問題に焦点を合わせ、〈現代人の世界的教養〉をモットー」としたものだった。
そんな中で、現代新書というレーベルはいかなる特色を持っているのか?
青木「時事的なベストセラーとアカデミックなロングセラー、その両輪をしっかりと回し続けるというのが、現代新書の役割だと僕は考えています。2016年に編集長に就任するまでノンフィクション系の単行本を中心に手がけていたこともあり、現代新書に来てからは、既に土台があったアカデミックな教養系の企画に加えて、ジャーナリスティックなベストセラーにもしっかり取り組もうと心がけてきました」
青木の説明に加えて所澤は、新書では比較的後発であるがゆえの「チャレンジしやすさ」を特徴に挙げる。先述の“新書の御三家”の中でも、1938年創刊の岩波新書、1962年創刊の中公新書に対し、1964年創刊の現代新書は「完全に末っ子」だという。かつては“新書の極北”としてのイメージもあった岩波新書や中公新書との比較で、「なぜ講談社で新書を書かないといけないのか」という反応を露骨に示す著者もいた。
所澤「その分、現代新書は30代、さらには20代の若い著者で、これから注目されそうな方に執筆をお願いすることができました。今年『独学の思考法──地頭を鍛える「考える技術」』を出された山野弘樹さんは20代ですし、かつての『動物化するポストモダン──オタクから見た日本社会』だって、東浩紀さんがまだ30歳くらいのときの本ですから。現代新書を代表するロングセラー『タテ社会の人間関係』も著者の中根さんが40代前後の頃の刊行だったことを見ても、冒険がしやすい空気が、歴史的にずっとあったのだと思うんです。その結果、ラインナップにも幅の広さが生まれているのではないでしょうか」
青木「編集会議ではいつも『読者がいそうなところを狙ってほしい』と言ってますけど、本音では、おもしろければ何でもアリ。いまの時代にマッチしていて、何か心に引っかかるコンセプトがあるような企画は、思わず通してしまいますね。そして何よりも、著者が何が何でも書きたがっているとか、編集者が『この企画を通さないうちは絶対に定年を迎えられない』と思っているとか、そういう個人的な情熱が必要ではないかと。それらがミックスされた企画が並ぶと、良いラインナップになっていくと思います」
千葉雅也『現代思想入門』は新書の理想形? ラインナップにおける「4つの方向性」
「おもしろければ何でもあり」とは言うものの、青木は編集長として、ラインナップにおけるある程度のバランスも意識している。具体的には、大きく分けてA/B/C/Dと4つの方向性の企画を、程よく織り交ぜて構成するようにしているという。
Aは、直近であれば林真理子『成熟スイッチ』のように、大物著者に時事性の高い内容を執筆してもらう大型企画ライン。Bは、河合雅司(ジャーナリスト)の『未来の年表──人口減少日本でこれから起きること』、 坂本貴志(リクルートワークス研究所)の『ほんとうの定年後──「小さな仕事」が日本社会を救う』のようなエビデンスに基づいた日本社会の分析で、現代新書が伝統的に得意とするライン。Cは鈴木大介『ネット右翼になった父』や漆原正貴『はじめての催眠術』のように、ユニークなコンセプトで勝負するチャレンジ枠ライン。そしてDが、今回出版を始めた「現代新書100」シリーズのように、哲学や歴史をはじめとした、いわゆる教養書ラインだ。
青木「新書はその名の通り、新しい世界を見せる本。難しい学問の世界を、初学者向けに著者の力量で解説していく……そんな本はやはり魅せてくれますし、そこから得られるワクワクは新書の醍醐味ですよね。
昨年で言えば、3月に出た千葉雅也さんの『現代思想入門』は新書の一つの理想形。ドゥルーズ、フーコーなど『難しい』と思われがちな思想を、読者が自分事として引き付けて感じられるように記述されています。今という時代を理解するためのたくさんのツールを、とてもわかりやすい形でご紹介いただけたと思っています」
一方で所澤は、「あるテーマについて知りたい時に、最初に読むべき本」というイメージでも新書を捉えている。
所澤「現代新書でも『はじめての◯◯』といった企画は昔からよくありますが、最初に読んで、そこからどんどんと世界が広がっていく本が新書だと思うんです。それから『この一冊があれば』という座右の書、何かを探究するときにいつも横に置いておきたい本、という位置付けもあるでしょう。近年出た小熊英二さんの、600ページ超の『日本社会のしくみ──雇用・教育・福祉の歴史社会学』、それから800ページ近いボリュームでありながら20年以上に渡ってロングセラーとなっている、宮本正興さんと松田素二さんが編者の『新書アフリカ史』などが良い例でしょうか。新書はやろうと思えば何でもできるのだろうな、という感じはしています」
青木「『新書アフリカ史』は最近のベストセラーのように、発売当初からドンと売れたわけではありません。でも、長年にわたって少しずつ、少しずつ、途切れることなくずーっと売れ続けていて、いまでは現代新書を代表するロングセラーの一冊になっています。一気に売れる“ウサギ型”のベストセラーだけでなく、こうした少しずつだけれど10年以上にわたって売れていく“カメ型”の本も、編集部としてはとても大事な存在ですね」
新書でさえ読む時間が取れない時代の「現代新書100」
そんな現代新書から2022年9月に創刊されたのが、“イッキ読みできる教養新書”と題された「現代新書100」だ。
ページ数を、思い切って従来の半分以下である100ページほどまで短縮。著名な思想家を取り上げ、その思想の概論と時代背景、そして現在への応用の3点に絞ったシンプルな内容構成となっている。
立ち上げの背景にあったのは、新書が置かれた現状に対する危機意識だ。2021年の紙の書籍の総出版販売金額(約6804億円)のうち、新書が占めるのはわずか2%強の約141億円で、2011年の約230億円からも大きく下がり続けている(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の調査より)。その一つの要因として青木は、多忙を極める多くの現代人にとって「(どちらかと言えば薄い本に分類される)新書でさえも、読む時間がなかなか取れないのではないか」という仮説を立てていた。
ここ数年、そうした問題意識のもと「もっと薄い新書があってもいいのでは」という具体的なアイデアも思い浮かべるようになっていた青木。実行してみようと思った一つのきっかけが、先ほど触れた『現代思想入門』の大ヒットだったという。2022年3月の発売当初より話題を呼び、今では13万部を超えるベストセラーになっている。
決してとっつきやすいトピックではない「現代思想」の入門書。そのヒットを見た青木は、所澤や『現代思想入門』の担当編集者である栗原一樹らに「100ページ新書」の構想を打ち明けた。彼らの意見を踏まえた結果、「時間をかけずに読める」「『今の時代にこそ読む意義がある』と読者が感じる」といった視点から、思想家の思想を取り上げる新シリーズの刊行を決める。
一方、所澤の頭の中にも「現代新書100」が目指すべき方向性として、一つのロールモデルがあったという。
所澤「オックスフォード大学出版局から出ている、『Very Short Introductions』というシリーズです。とても薄い本なのですが、さまざまなテーマの概要がコンパクトにまとめられています。大学の先生方と雑談をしている際に、自分の専門領域の本としては物足りないかもしれないけれど、専門外の領域の基本知識を『とりあえず押さえておきたい』というシーンでとても役立つと聞きまして。それはもしかしたら、新書の一つの役割でもあるのではないかと思ったんです」
そこから現代新書編集部に加え、隣の部署の学術文庫やウェブメディアである「現代ビジネス」なども含めた局内の有志を募って、「現代新書100」の立ち上げは進んだ。青木いわく「新しいことにチャレンジしやすい社風」と言うだけあって、とくに目立った反対の声もなく、2022年9月には創刊に至る。出だしは上々で、増刷は順調にかかっており、20代など若い読者も一定数買ってくれているという。
もちろん課題もある。例えば「安っぽく見えないように」と、従来の新書とは違った厚めの紙にしたものの、「手軽さが伝わりにくい。見た目ももっと薄くするべきでは?」といった意見も出ているそうだ。今後は第一期として、いまのパッケージで10冊ほどを刊行し、その後はさらなる試行錯誤を重ねていく予定になっている。
教養書であっても「おもしろくなくてはしょうがない」
スタートから半年あまりが経った2023年1月現在、「現代新書100」シリーズは5冊が刊行されている。牧野雅彦『ハンナ・アレント──全体主義という悪夢』、梅田孝太『ショーペンハウアー──欲望にまみれた世界を生き抜く』、佐々木実『宇沢弘文──新たなる資本主義の道を求めて』、岸見一郎『エーリッヒ・フロム──孤独を恐れず自由に生きる』、そして箱田徹『ミシェル・フーコー──権力の言いなりにならない生き方』だ。
取り上げる思想家を選ぶ基準には、ノンフィクション畑出身の青木らしい、ジャーナリスティックな視点がある。
青木「その思想家が構築してきた思想が、現代という、いまの時代にどれほど求められているか。求められているとしたら、それはどんな理由や解釈によるものなのか、といった点を特に重視しています。彼ら思想家が唱えた思想やキャッチフレーズ、エッセンスのようなものが、いまの人たちに本当に刺さるかどうか。
例えば1冊目で取り上げたアレントは20世紀半ばを生きた思想家ですが、国民全体が個別に切り離されて『群集』になっていくプロセスとか、メディアに対する強烈な不信感だとか、『これって、まさに今の話じゃないの?』といった考察であふれています。ナチスやスターリンについて分析した彼女の言葉が、現代における冷笑主義や特定の民族に対する攻撃といった現象にも当てはまるように思えたので、ラインナップに入れたいと考えました」
青木が指摘するジャーナリスティックな視点は、筆者自身も読んでいてひしひしと感じたところだ。ハンナ・アレントの入門書は巷に数多あり、その多くは主著『人間の条件』(1958)での議論の解説が主軸となっている。一方で「現代新書100」においては、『人間の条件』には後半で触れつつも、現代の状況とよりダイレクトに響き合う『全体主義の起原』(1951)の解説をベースにしているのが印象的だった。実際、アレント研究者として著名である著者の牧野雅彦には、より平易な一般書へと編み上げるべく、編集段階で5〜6回、原稿を修整してもらったのだという。
青木「牧野先生のような性格の温厚な先生だったので、言いたいことは何でも言ってしまいました。『実力も筆力もある大学者に、お前ごときが何を意見してるんだ』と同僚には思われたかもしれません(笑)。でもそれが、僕らの仕事。読者にお金を払って読んでいただくためには、『自分の身に照らし合わせて考えられる』ことが重要なのではないかと。
そもそも新書なんて入門書であって専門書ではありませんし、100ページですから、これ一冊で全部がわかる本ですよー、なんておこがましいことは思っていません。むしろ、これを機にもっと深い専門書の世界に入ってもらったり、他の本とのつながりを感じたりしてもらえれば、それでいいんじゃないでしょうか」
現代性を重視しているとはいえ、それは昨今求められがちな「すぐに仕事に活きる」ということを意味しない。極力ハードルを低くしたうえで「現代新書100」が届けたいのは、いわゆる「教養」であり、そこに潜む「喜び」だ。
青木「偉そうに聞こえるかもしれませんけど、『教養は人生を豊かにする』とか言うじゃないですか。気に入った一行だけでも、心に残った一言だけでもいい。そういうものが読者の方々の中にほんのちょっとでも引っかかって残り続けて、その方の思考や将来の生き方に、押し付けではない形で少しでも前向きな影響を与えられれば、それはもう編集者冥利に尽きるのではないでしょうか。
もちろん『この世界が生きづらいのは人間に欲望があるからだよね(ショーペンハウアー)』とか『権力って上からじゃなくて下からやって来るよね(フーコー)』とか、ちょっと知ったかぶりできるとカッコいいなとか、そういう動機から思想に触れたいと思う人もいるかもしれません。僕もそうですから(笑)。でも、それもそれでいいのではないかと。結局、『知らないことを知る』喜びや楽しみが得られるっていうのは、本が持っている最大のポイントであり原点だと思うんです。それはビジネス書であろうが教養書であろうが、おそらく変わらないはずです」
所澤「人文系の本をつくっていて、嘘は当然駄目ですし、学問的な信頼性も気にしなければなりません。校閲のチェックだって入ります。でも、そのうえで、おもしろくなくてはしょうがないという気持ちは、正直どこかにあって。知的なエンターテインメントというのか、それはジャーナリズム系だろうが教養系だろうが、一緒だろうと僕も思っています」
不安な時代に「道しるべ」を立てる
知ることの喜びや楽しみを通して、思考や考え方、将来の生き方に少しでも影響を与える。そんな「教養」の原点たる体験を読者に届けていくため、「現代新書100」というチャレンジに乗り出した現代新書。
しかし一方で、寄る出版不況の波に押し負けないためには、「紙の書籍だけ」というモデルを超えていく必要がある。
青木「30年近く出版社にいますので、私も紙に対する思い入れは強いですけど、紙の本というビジネスモデルだけでは相当厳しくなっているのは事実です。次のモデルをいかにして創り出していくのか、あるいはそこを考えられる若い編集者たちにいかにしてバトンをつないでいくのか。ただ本を作ることだけなら、こんなに楽しい作業はないし、いくらでもできます。でも、いま最も大きく問われているのは、その成果をいかにして読者に届けていくかであって、まだ皆が試行錯誤中で、誰もきちんとした答えは出せていないような気がします」
そうした問題意識のもと、現代新書でもさまざまな試みがなされている。ウェブメディア「現代ビジネス」と連携した記事を出したり、「現代新書100」の著者による「特別補講」をオンラインで開催したりしている。お隣の部署の講談社学術図書では、2022年11月にサブスクリプションで哲学の動画やテキストコンテンツを提供するオンラインサービス「アカデメイア」を開始。第一弾として哲学者・國分功一郎による「國分功一郎の哲学研究室」を開設した。
青木「いま全社的な方針として、『次の時代の芽を見つけよう』ということがけっこう言われていまして、新しいことにチャレンジしやすいような感覚はあります。ですから僕らとしても、今までのやり方に固執する必要はないと思うんです。他にも色々と新しいアイデアはあるので、それを実行に移しながら、現代新書の良いところをどう残していくか……そんな戦いになっていくのではないでしょうか。
それと同じぐらい重要なのが、次代の新書・人文書・教養書を生み出していく人材の育成ですかね。育成とかいっても、ウチの若い編集者はみんな、僕の若いころの100倍ぐらい優秀なので、あまり悲観はしていませんけど(笑)」
所澤「もちろん新書に関しても、まだまだやりようはあると思っています。『現代新書100』はその第一歩ですが、逆に今度はすごく分厚い『新書500』みたいなシリーズがあってもいいかもしれません。240ページや256ページの新書ならではの、新書の様式美を追求するのも当然大事ですが、それ以外のものを色々と模索し、仕掛けていかなければと感じています」
新たな可能性の模索は、もちろん出版社の存続にとっての死活問題ではあるが、それだけではない。どんなかたちであれ「教養」と呼ばれる知を届けていくことが、いま人々から切実に求められている。その使命感を持ちながら、二人は書を編み、届け続ける。
所澤「2021年に、現代の賢人と呼ばれる人たちがコロナ以降の世界について語った『新しい世界──世界の賢人16人が語る未来』という本を出したんです。共著の本は売れにくいとずっと言われていたのですが、これが思った以上に評判が良くて。いま本当にみなさん忙しい中でも、すぐに役立つかどうかではなく『何か考えるための思考の型みたいなものがほしい』と思っているのだ、と実感しました。そういう人たちに向けて、色々な出し方でヒントを届けていくことは大事なのではないでしょうか」
青木「これからますます不透明で、不安が“てんこ盛り盛り”の時代になっていく。その中で、何かについて考える上での道しるべのようなものが必要になってくる……無意識にそう感じている人たちがいっぱいいるのだと、僕も思っていまして。そこに向けたよすがや基盤を提供するのが、本の持っている本来の使命の一つだと思います。僕たちが創っている新書は、まさにその最前線と言えるのではと考えています」
取材・執筆/小池真幸 撮影/須古恵 編集/佐々木将史